ゆきとねこ

オリジナル小説, 短編
※この作品は2014年5月5日に発行・頒布された本のWeb再録です※ 雪は嫌いだ。 まっさらな白い雪は、嫌な記憶を呼び覚ますから。 真っ白な雪と真っ赤な傘。 わたしのすべてのはじまりのきおく 「ゆき、聞いてる?」  ゆきと呼ばれた彼女—―深雪は、チラリと隣を歩…
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想――願

オリジナル小説, 短編
最初は石になることを。 その次は死することを。 その次は消えることを。 何も感じなくなってしまえばいいのにとおもった。 死んだら何か変わってくれるだろうかとおもった。 そのことが憎い者への復讐になるかなとおもった。 でもきっとそう思い通りにならないなとおもった…
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凍 ~Rei~

オリジナル小説, 短編
私は今日、失恋した。 寒風吹きすさぶ中、ぼんやりと夜道を歩く。 あまりの寒さに自分を抱きしめるように腕を組む。 手に持った小さな袋が服にあたって、カサリと音を立てる。 「寒い……」 ぽつりと呟いた言葉は、むなしく冷たい空気に消えていく。 冷えているのは、体だけ…
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