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Shocking ☆ LOVE 3話目

「鈍感男の気づき」

「浦野はさ、自分のことに鈍いんだよな。」
「何、急に。」
自習の時間中、佐々木が急に話しを振ってきた。
「返事、してないんだろ?」
「自分の気持ちがわからん。」
「ほらね。」
佐々木は、課題の問題集に目を落としながら、くすくす笑っている。
「まぁ、せっかく自習ということですし?ここは1つ、自己分析でもしてみたらどうよ。」
「自己分析…ねぇ。」
そうだ。いつも強引で、自分勝手で。正直面倒くさいけど、でも、嫌だと思ったことは、一度もないんだよな…。
あの時——チョコを選んだときも結局、あいつの好きなやつ選んだんだよな。
馬鹿だよなぁ。俺。
「俺鈍い?」
「相当じゃないのぉ〜?」
呑気な佐々木の声が、妙に突き刺さる。
「お前さぁ、去年の夏祭り覚えてる?」
「何だよ急に。」
「本村と仲良く楽しく行ってたじゃん。」
「去年どころか毎年だ。」
いい加減、佐々木に付き合うのもうざったくなってきた…。
「お前の覚えていなそうなエピソード教えてやろうか。」
「何だよ。」
にやにやと、佐々木は笑っている。
「お前、去年クラスの女子に誘われたの断って、本村と夏祭り行ったろ。」
は…?クラスの女子になんか誘われたっけか?
「完全に忘れてるねぇ。」
待て待て待て。さっぱり思い出せない。
というか、なぜ佐々木が知ってるんだ?
「俺、女の子と仲良しだから。」
「人の心を読むなっ。」
去年、そんなことあったけか?
夏祭りといえば…鈴が珍しくピンク系の浴衣着てたこと位しか覚えてねぇ。
あとは、あいつと金魚すくいに躍起になったこととか。
ていうか、全部あいつ絡みじゃねぇか。なぜ、浴衣の色まで覚えてるんだよ、俺!
「俺、あいつのこと好きなんかなぁ。」
「自分で考えろやぁ。」
「ここまでやらせといて、放置かよっ。」
佐々木は、俺の言葉を完全に無視して、課題に取り組み始めた。
「お前7割、俺3割な。」
「何の話だよ、佐々木。」
「さっきのエピソードは、貸しだ。」
「へーへー。」
俺の分、妙に多くね?まぁいっか。
それにしても、鈴になんて言うべきか…。
そのまま考え込んでいたら、あっという間に放課後。
「浦野ー浦野浦野浦野ー。」
「うるせぇ、佐々木。」
「俺すごいもん見ちゃった。」
「何?」
「本村。同じクラスの奴に告られてたぜ。」
はい…?あんなの好きになる奴いんのかっ!
なんて、相当失礼なことを考えつつ、ふつふつと怒りに似た感情がわきあがってきた。
「それ、マジ?」
「おぅ。」
「ゆぅきぃ〜。一緒帰ろ〜。」
鈴の間延びした声が、ぱたぱたという足跡ともに近づいてくる。
「鈴、ちょっと来い。」
「え?ちょ、な、なに?!」
鈴の声は無視して、強引に腕を引いていく。
いつもと逆だとか、明日また佐々木に何か言われるんだろうなとか、そんこと考える余裕もなかった。
どうしてこんなに余裕がないのか、自分でもよくわかってなかったけど。
「ちょっと、祐樹!祐樹ってば!」
家の近くの公園まで来て、いい加減ぶちきれた鈴に、思い切り良く腕を振り払われる。
「なんなのよ!」
気がついたら俺は、鈴にキスしていた。
「…っ。祐樹…?」
いつもは強気な鈴が、泣きそうな顔をしている。こんな顔見たのは、二回目か。
「ごめん。でも俺…俺もお前のこと好きっぽい。」
鈴は、きょとんとしている。俺自身も、自分の言葉と行動に呆然としてる。
「順番ぐちゃぐちゃ。」
相変わらず泣きそうな顔で、鈴が呟く。
「ごめん。」
「謝んないでよ。嬉しいんだから。」
こんな鈴見るの、初めてだなぁ。
鈴が、俺の方に体を寄せてくる。
そのまま鈴を抱きしめて、もう一度キスをした。

次の日、後をつけてきて一部始終を見ていた佐々木に、からかわれたのは言うまでもない。

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※書いた当時のあとがきです※
1年越しくらいで。ようやく完結しましたぁ〜☆
えぇもぉ、浦野の鈍さに私が苦労しました(笑)
そもそも、バレンタイン用の読みきり短編のはず(1話のみのはず)だったのに、なぜか連載に。
つっても、3話だけだけども。コレ位の長さって初めて書いたかな。
とりあえず、二人くっついたしいっかな。
この二人結構気に入ったので、また違う話かけたらいいなぁ。
次書くときは、三人称で書きます。。主人公視点書きにくかった(^^;)
そんな感じで、お粗末さまでしたm(_ _)m

2008.7.29 蒼井彩夏