Shocking ☆ LOVE 2話目

「噂・葛藤・新発見?」

次の日、学校に行った俺は、噂の標的にされた。
「よぉ〜、お前本村に告られたって〜?」
「やるねぇ〜。」
誰だよ、噂流した大ばか者は。
「やぁ〜、ゆぅちゃん、よかったねぇ。」
「ぶっ殺すぞ。佐々木。」
こいつは、俺の小学校からの悪友、佐々木。
ちなみに、本村ってのは、鈴の苗字だ。
「まさか、本村が、お前のことをねぇ〜。そんな風には、見えなかったなぁ。」
「俺もだ。ていうか、あいつが俺を男してみてるとは、夢にも思わなんだ。」
「ゆぅちゃん、言葉変よ?いーじゃん、付き合っちゃえよ。」
「その呼び方やめろ。できるか、アホゥ。俺はなぁ。」
「あいつを、女としてみたことはないってか?」
「よくわかってんじゃん。」
佐々木は、ケタケタと笑い出しだ。なんか、ムカツク。
「無自覚なんだねぇ、浦野。浦野祐樹16歳。生まれて初めての告白に戸惑ってますってか。」
「佐々木…からかうな。俺は、本気で悩んでんだよ。」
佐々木は、飄々としている。こいつは、こういう男だ。
確か、中学から今までで、彼女が何人かいたはず。
「女の子の気持ち、踏みにじったらダメよ。」
て、言われてもねぇ。
「お前さ、マジで本村のこと、なんとも思ったことないの?」
「あいつは、いつも俺に面倒事を持って来るんだ。」
クラスが違うのをいいことに、言いたい放題言っている。
佐々木はといえば、俺と話しながら、彼女から貰ったであろうチョコを食べている。
「まぁでもさぁ、本村良い子じゃん。」
「お前にはな。」
「んー、鈍いねぇ。浦野。」
やれやれと、佐々木は首を横に振る。
「お前にだけってことはさ、逆言えば、お前にしか、本当の自分見せてないってコトなんじゃない?」
「だから、何?俺にだけ、本性露わにしてるだけだろ。」
「うわっ、お前そういう考え方かよ。自分だけ特別、とか思わねぇの?」
「これっぽっちも。」
そんな会話をしている間も、周りはごちゃごちゃと、囃し立てる。
いい加減うるさい。
「てか、噂の元凶は誰だ。」
「俺。昨日、公園で見てたんだな。」
「佐々木。お前、ふざけんなよ。」
いいついでに、一発殴る。そういや、鈴とはよく手の出る喧嘩もしたなぁ。
最近は、もっぱらあいつが殴ってくるだけだけど。
俺がやったら、怪我させるしな。殴られても、あんま痛くないし。
ん?あれ、俺一応あいつに気使ってる?てか、あいつも女だし。当たり前だよな。
てことは、俺、一応あいつのこと女としてみてたのか。
でもなぁ、あいつが恋人になるってのが、想像できない。
いっつも、傍に居るしなぁ。
「頭が混乱してきた・・・。」
「浦野、こういうの初めてだもんなぁ。」
「お前は、悩まないんだろうよ。」
「まぁねぇ。お、チャイムチャイム。」
結局、その日一日中、昨日のことが頭がいっぱいで。
教師たちに、ぼけっとするなと、言われることもしばしば。
一体、俺はどうすりゃいいんだ。鈴に、なんて言ったらいい?
放課後、教室に鈴がやってきた。何故。
「祐樹ー、帰るぞー。送ってけー。」
なんでお前は、そういつも通りなんだよ。
「朝は、一人で行っただろうが。」
「だって、暗いもーん。」
「まだ、日沈んでねぇよ。」
「けちけちしなーい。ほら、帰るよ!」
周りにかわかられ、鈴に腕を引っ張られ、俺は、教室を後にした。
校門を出て、二人になると、鈴は俺から手を離してポツリと言った。
「ごめんね。迷惑かけて。」
「珍しくしおらしいじゃん。」
「………。」
あれ?言い返してこない。
今日になって、冗談だとか、言ってこないかなーとか、思ってたんだけど。
「なぁ、やっぱり昨日の、マジ?」
「うん。」
鈴が、鈴じゃない。こんな大人しい鈴は、見たことがない。
まさか、芝居じゃないだろうな?それとも、鈴にもそんな一面があったのか?
「今日、大人しいじゃん。鈴らしくない。」
「そう?祐樹の中の私のイメージってどんな?」
「うるさい、やかましい、乱暴、強引。」
「それ、女の子に対して言う言葉?!」
あ、いつもの調子に戻った。よかった。
って、なんで俺は、安心してるんだよっ!
「祐樹って、女の子に夢見すぎじゃない?」
「アホ。お前見てて、女の子は皆大人しくて、可愛いなんて夢見るかっ。」
「ひっどいっ。」
でもやっぱ、いつもより元気ないかなぁ。
「お二人さん、仲いいねぇ。」
「佐々木。」
「あー、佐々木君だぁ。よくも、噂にしてくれたわね!」
「あら、本村にもバレてんの?」
「あんたの彼女ちゃんに、聞いたのよ!」
鈴は、佐々木に噛み付く。佐々木は、さらりと受け流してる。
佐々木も家が同じ方向だけど、一緒になるとは、珍しい。わざとか?
「佐々木。なんで、お前がここにいる?」
「え?家の方向一緒じゃない。」
鈴が、きょとんと俺に言う。こいつ、案外素直なのか?
いつも彼女送ってから帰る奴が、ここにいることに何の疑問も持たないのか?
「お前なぁ、こいつはいっつも彼女送ってから、帰るんだぜ?この時間は、おかしいだろ。」
そうだ。まだ、俺たちが学校出てから10分と経っていない。
それに、俺が教室を出たとき、佐々木はまだ、教室にいたはずだ。
「彼女なら〜、そこの角で待ってるよん。」
「だから、何しにきたんだよ。」
「本村にエールをば。ま、浦野鈍いから、頑張って。じゃな。」
それだけ行って、さっさと彼女のところへ行った。
何がしたかったんだ?あいつは。
「祐樹って鈍いの?」
「お前は、案外素直なのな。」
お互いの新しい一面を見て、お互い笑い出してしまった。
まだまだ、知らないことってあるもんだな。
結局この日も、俺は鈴に返事を出来ないまま、家へ帰った。

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